毎年秋に開催される「日本調理技能コンクール」で、このたび最高賞の函館市長賞に輝いたのは、旅館「一乃松」の岩館昌人さんです。
岩館さんは42歳。函館市東部の戸井地区(旧戸井町)で寿司店を営む家庭に育ちました。函館短期大学付設調理製菓専門学校で学びながら、温泉旅館でのアルバイトを経て、18歳で料理人の道へ。22歳で湯の川温泉の旅館「一乃松」に入り、以来、井田朋明料理長のもとで日夜、腕を奮っています。ベテランや若手の料理人が多い湯の川温泉の調理場のなかで、40代前半の中堅世代は少なく、貴重な存在。今後の函館観光を支える料理人として、活躍が大いに期待されます。
コンクールには駆け出しの頃から毎年出品し、函館市長賞は2009年以来、2度目の受賞。また、今回は同じ職場の後輩、三浦寛生さん(25歳)も次点の「函館割烹調理師会会長賞」に選ばれ、喜びもひとしおです。
「時間をかけてじっくり仕込んだ料理が、無事にお客さんのもとに届き、食べてもらえたときが何よりもうれしい」と岩館さん。「大変な面もあるが、やり甲斐のある仕事なので、料理人を志す人が増えてほしい」との願いも語ってくれました。

 

コンクールへの出展作品は前菜、御椀、焼き物の3品で構成されます。「令和元年 新しい時代へ 食欲の秋」の審査テーマから、前菜では、秋の澄み渡った空を表現しようと高さを意識した盛り付けに。器選びにもこだわり、海老や栗、かぼちゃを使って秋らしい彩りを添えました。


御椀には、アボカド豆腐、タラバガニ、かぼちゃのすり流しなどを使い、こちらも色彩豊かな秋を表現。



旅館 一乃松

所在地:函館市湯川町1丁目3-17
電話番号:0138-57-0001