旬食材
ウスメバル

淡い赤色の美しいメバル
メバルは、全国各地で獲れる魚。小柄な魚体に「目張る(めばる)」の名のとおり、大きな目を持つのが特徴です。刺身や煮付け、焼き物、から揚げ、味噌漬けなど、万能に料理できる魚として知られています。一般にメバルと呼ばれるものは数種あり、本州のメバルは、アカメバルやシロメバルなど暖水系の沿岸魚ですが、青森県沿岸の日本海や津軽海峡で獲れるメバルは、ウスメバルという魚種のもの。淡い赤色の美しい魚体が特徴で、光の加減では黄金色に輝くほどです。
大都市圏で人気の高級魚
ウスメバルは成魚になるまで3~4年、型がよい20センチ程になるには5年以上かかるとされています。函館沿岸では、一本釣りと刺し網による漁を実施。漁獲量は少なく、統計上も「ソイ類」として括られる程度ですが、市場に出ると高級魚として扱われる人気の魚です。函館周辺ではあまり消費されず、おもに東京や大阪など大都市圏に出荷されています。
柔らかな身質の函館沿岸産ウスメバル
ウスメバルは、上品な脂を持ち、刺身にはしっとりした甘みが感じられます。また、煮魚にするとほろりと身離れがよく、器に映える赤色の姿も人気です。函館近郊の知内町から函館市汐首町周辺までの、ちょうど函館山が見える沿岸で水揚げされるウスメバルは、とりわけ身質がよいと評判。同じサイズのもので比べてみると、刺身で食べる時にはわずかな歯ごたえの差でも、加熱調理したときには、身の柔らかさに違いが出るそうです。特にフランス料理のムニエルなどでは、函館沿岸のものの柔らかさが際立つと、ある料理人は評します。
津軽海峡はメバルの仲間の宝庫
津軽海峡の函館沿岸には、このウスメバルをはじめメバルの仲間が多く生息しています。「フサカサゴ科」とされる魚で、背びれに棘(とげ)を持ち、海底の魚礁などに棲みつく「根魚」です。マゾイ(キツネメバル)は「北海道のタイ」とも呼ばれ、この地域で根強い人気を誇る高級魚。クロソイは成長が早く、養殖にも適した魚です。エゾメバルは、ガヤガヤとうるさいほど獲れることから「ガヤ」とも呼ばれる大衆魚。どれも脂ののった白身で味わい深い魚ばかりです。
漁業者から
一般的には春の魚。秋~冬もうまい



ウスメバルについて
主な産地:函館市沿岸漁期:ほぼ通年
代表的な生産者:函館市漁業協同組合
住所:北海道函館市豊川町27-6
電話番号:0138-22-3195