訪ねてみたい市場・商店
北海道産ワインの文化を道南から発信
はこだてわいん葡萄館本店

北海道産原料を追求するワイナリー
「はこだてわいん葡萄館本店」は、道内でも古くからワイン造りを手掛けてきたワイナリー「はこだてわいん」(七飯町)の本社・工場に隣接する直売店。ワイナリー限定商品を含むワインを小売しており、そのうち10種類ほどが試飲できます。ワインを使った味付けジンギスカンやソフトクリームなども販売しています。
そんな「はこだてわいん」が誕生したのは1973年。設立当初は近郊の森町などでブドウ栽培を手掛けていましたが、当時の気象や土壌条件などさまざまな苦難もあり、原料供給が安定せず、道南産のブドウでのワイン造りを一時断念しました。
そこで同社が目を付けたのが、当時既に生食用ブドウの生産地として知られていた余市町。社員が果樹農家を1軒ずつ訪ね歩き、醸造用品種のブドウを栽培してもらえないかとお願いして回ったといいます。その結果、数件の農家が新たに醸造用品種のブドウ栽培を始め、1980年代には安定してワインの原料となるブドウを供給できるようになりました。はこだてわいんは今日に至るまで余市町の生産契約農家から原料供給を受け、ワイン造りを行っています。
地元・七飯町で始めたブドウの自社栽培から将来への展望を描く
2000年代に入り、その地域で採れたブドウでワインを造る小規模ワイナリーが全国各地で設立されるようになると、消費者の意識も変化していき、「道南のブドウで造ったワインを飲みたい」との声が同社に届くようになりました。
さらに、2018年10月から適用された国の表示基準により、ワインの産地名をラベルに表記する際は「地名が示す範囲内にブドウ収穫地と醸造地がある場合」に限ると定められました。
こうした時勢の変革を受け、はこだてわいんは道南で醸造用ブドウ栽培を復活させることを試みます。試験栽培期間を経て、本社工場近くの農地約1.7ヘクタールに2018年から本格的に植栽管理を開始。赤ワイン用のカベルネ・ソーヴィニヨンと白ワイン用のシャルドネを中心に、国内需要の高い品種を約3000本、自社栽培しています。
これと前後して、道南では他のワイナリーによる醸造用ブドウの栽培も活発化。300年近い歴史を持つフランスの老舗ワイナリーが函館市内に、大手酒造メーカーが北斗市にそれぞれブドウ畑を開くなど、醸造用ブドウの栽培適地として道南に注目が集まっています。
はこだてわいんが自社栽培するブドウも順調に生育しており、収穫したブドウで試験醸造したワイン約400本を第1弾として2022年7月に発売。第2弾は2022年12月末までに発売される予定で、その後も年に一度のペースで地元産ブドウから醸造したワインを生産する取り組みを続けています。
「いずれは地元ブドウ生産農家の有志と共に、地元産原料だけで醸造したワイン生産を目指したい」という地域共創への夢を抱く同社。自社のブドウ畑を案内する同社社員は「ここから見える横津連山のふもとに、ブドウ畑が広がっていくのが楽しみ。これからも道産原料にこだわり、ここ七飯町からワイン造りとワインの楽しみ方を発信していきたい」と語ってくれました。








休業・営業時間変更の場合があります
- 所在地
- 七飯町上藤城11
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- 0138-65-8170
- 営業時間
- 10:00~17:30
- 休業日
- 水曜日
- アクセス
- 函館新道七飯本町ICから車で約7分
- 駐車場
- 有 (50台)