旬食材
函館真昆布

国内生産の約2割が函館産
北海道を代表する食材のひとつに昆布があります。国内生産量の95%が北海道産、なかでも函館産はこのうちの約2割を占め、生産量・生産高ともに日本一を誇ります。10種類以上あるといわれる北海道の昆布の中でも、津軽海峡から噴火湾にかけての函館市沿岸で採れる真昆布は、肉厚で幅が広く、だしを取るのに最適な昆布です。
日本料理には欠かせない食材
真昆布のだしは、甘みのある上品な味で、コクがあり、旨みがまろやかで、色が澄んでいることから、日本料理には欠かせないもの。特に、噴火湾沿岸の函館市南茅部地区で生産されるものは「白口浜」として知られ、かつては松前藩が朝廷や幕府への献上品にしていたほど、味・品質ともに高い評価を受けているものです。天然ものは、その抜群の味や香りで、高級料理店でのだし引きや、塩吹き昆布、高級つくだ煮などの原料にも用いられます。
養殖技術の確立
約50年前、それまで難しいとされた昆布の養殖技術が実用化されました。天然の真昆布は収穫できる大きさになるまで2年かかることから、隔年で好不良の波があり不安定なものでした。そのため、試験を重ね、わずか1年で大きく育てることができる促成栽培技術を確立し、生産量は飛躍的に向上。昆布漁は大きな転機を迎えました。養殖では、秋から冬にかけて、綱に種付けされ海中で育てられ、2〜3月頃に一定程度が間引かれて日照を確保します。これが「間引き昆布」と呼ばれ、ほのかな甘みを持つ柔らかな口当たり。サラダ感覚で食べられる昆布として、こちらもぜひ注目してほしい食材です。
地域ブランド「函館真昆布」が始動
これまで函館の真昆布は、「白口浜」「黒口浜」「本場折浜」など、函館市の中でも採取地それぞれでの通称で流通してきました。このため、名称に地名が入る利尻昆布や羅臼昆布、日高昆布などと比べ、真昆布が函館産であることはほとんど知られてきませんでした。このことから、市内の5漁協と函館市が協議し、2017(平成29)年から「函館真昆布」というブランド名に統一してPRすることとしました。今後は、「真昆布の産地=函館」のイメージをより高めていきたいと、関係者は意気込みます。
漁協から
先人が築いた養殖事業あってこそ




函館真昆布について
主な産地:函館市の沿岸一帯、とくに南茅部地区が多い主な生産時期:夏
代表的な生産者:南かやべ漁業協同組合
住所:北海道函館市臼尻町154番地2
電話番号:0138-25-3004
公式ページ http://www.jf-minamikayabe.or.jp