訪ねてみたい市場・商店
水産物の自社加工を行う網元の直売店
久二野村水産 本通直営店

水産物の「6次産業化」をいち早く実現
久二野村水産は、北海道における大謀網(だいぼうあみ=定置網)発祥の地である旧南茅部町(現在の函館市南茅部地区)に6代にわたる地縁を持つ網元です。最大の特徴は、自社の定置網で水揚げした鮮度の良い魚を自社で加工し製品化していること。「6次産業」の概念が提唱されるよりも早い1990年代から水産加工に取り組み、独創的な商品開発と優れた加工技術でこれまでに数々の賞を受賞しています。
新たな水産資源を活用した製品開発も
海洋環境の変化により、全国各地で「これまで豊富に獲れていた魚が獲れなくなり、逆にこれまで獲れていなかった魚の漁獲が増える」といった現象が起きています。函館近海も例外ではなく、近年はスルメイカや秋サケの漁獲が激減し、替わりにブリの水揚げが急増しています。同社は「地域で獲れる魚をその土地で食べることが地域に潤いをもたらす」との思いから、水揚げ量が多いのに地域での消費が少なかったり、ほとんど活用されていなかったりする水産資源の製品化にも積極的に取り組んでいます。2020年に発売した「ぶりザンギ」もそのひとつ。自社の定置網で水揚げしたブリに下味を付けた一口サイズのザンギで、「柔らかくて食べやすい」と好評。函館の老舗カレー店の期間限定メニューにも採用されました。
縄文の精神を受け継ぎ、持続可能な水産業を
「当社が行う大謀網は魚群探知機を使って魚を追うわけでもなく、漁礁を破壊することもなく、水産資源を枯渇させることがない、環境にやさしい漁業です」と野村宰人店長。その証として同社は2012年、水産資源や生態系などの環境にやさしい方法で行われている漁業や養殖業に水産庁が与える「マリン・エコラベル・ジャパン」の認証を北海道で初めて取得しました(現在は制度変更により終了)。同社が漁を行う南茅部地区は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する大船遺跡・垣ノ島遺跡をはじめ、数多くの縄文遺跡を擁する「縄文の里」。同社も自然と共生しながらこの地で定住生活を送った縄文の人々の精神を受け継ぎ、地元で獲れる水産資源を活用しながら地域の魅力発信に務めています。







休業・営業時間変更の場合があります
- 所在地
- 函館市本通2丁目55-24
Googleマップで見る - 電話番号
- 0138-55-9532
- 営業時間
- 8:00~17:00
- 休業日
- 木曜日
- アクセス
- JR五稜郭駅から車で約10分
- 駐車場
- あり